理想の製品を作るために「サンプルのためのサンプル」にこめたこだわり
企画開発から商品化に向けてのアプローチは、それぞれの企業で方法は異なると考えられますが、プロダクトのメーカーである以上、商品化までにサンプル製作は避けては通れない工程の一つです。
ケースバイケースではありますが、当社では多くの場合、図面からいきなり工場でのサンプルは作りません。サンプル一つを工場で製作するだけでも、コストの他、多くの手間と時間がかかり、工場だけでなく、コスト面においてもお客様の大きな負担になってしまうからです。なので、出来る限り精度の高い図面や指示書を作り上げ、サンプルを工場で製作をするのが、適切な時間とコストを実現する近道といえます。

木材による違い
「サンプルのためのサンプル」という工程
そこで、サンプルを作るための「サンプル」が存在します。それは、初期図面を元に実際のサイズ感であったり、必要な機能の確認をするために「モックアップサンプル(簡易サンプル)」を製作するという工程です。
素材は発砲樹脂や木材を使い、企画開発の担当者が手作業で(切る・削る・磨く)を繰り返し、粉だらけになりながら精魂込めて作り上げ、問題点をあぶり出し、図面や仕様に反映させていきます。その時点で問題の多いものは、ゼロからやり直しか、商品化を諦める事になります。何とか進捗出来そうなものであれば図面を確定させ、初めて工場でサンプルを制作します。
工場サンプルで見えてくる、天然素材の難しさ
しかしながら、これで終わりではありません。ここからがより大変な作業が始まります。やはり、どんなに事前調整された内容のものでも、実際に工場サンプルを製作してみると予想もしていない問題が発生する場合があります。
単純に工場の技量によるものもありますが、木は樹脂製品とは違い天然の素材であるため、加工する方法を間違えると強度が落ちたり、使用する木の見栄えが良くなかったり、重すぎたりなど問題が発生してしまいます。また、同じ木でも(色・堅さ・木目)などで個体差が発生するのも厄介な部分です。
ですのでサンプル製作とは言え、工場では量産を見据えて実際に使用する加工機を使用し、使用する樹種の特徴を知り、加工方法を確認するという作業を共通認識として成り立てておく必要があります。
幼児向け玩具における「安全」と「設計」
特に幼児向けの玩具では、各年齢により安全基準が存在しますので、強度や機能、パーツの大きさなどが適合するかどうか、何度も確認と調整が必須になります。
特に強度面では、使用する接着剤の種類や塗布面積の確認、組み立て時に使用するダボのサイズや本数、金属ネジ使用の場合のサイズや位置といった細かな部分まで指定します。特に小さなパーツの固定方法などは、事前に検証しておく事も重要です。
それらは見た目のデザイン以上に重要となり、幼児用玩具については安全面など制約の多い中での商品開発となり、メーカーとしてはかなり気を使うところではあります。当初デザイナーがイメージしていた開発商品が、全く違う商品に……なんてことも。